鳥を自動検知→風車の回転停止も設定誤れば効果なし!

 風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州 Association to protect wild birds from windpower


  北海道でバードストライク防止装置の機能を生かせず! 

  秋田県では・・・

 2025年12月北海道幌延町で、2026年1月秋田県能代市で、相次いでバードストライク(以下BS)防止装置が設置されました。幌延町の風力発電施設(浜里ウインドファーム)では14基すべての風車に、能代市の風力発電施設(白神ウインド)では全25基のうち7基に自動停止装置が設置されました。

 さて、その効果はいかに?

幌延町浜里ウインドファームのBS防止システム

 この施設でのバードストライク発生率は「世界最悪水準」とも指摘されており、以下の希少種の被害が確認されているため、事業者はBS防止システムの導入に至った。

・オジロワシ:11羽(20261月時点) ・オオワシ:1羽 ・ハイタカ:1 

<システム概要>

 ① 360°カメラにより、風車の半径1km圏内に接近した鳥類を検知

 ② 半径1km圏内で鳥類の滞空が続いた際には鳥類種を識別

 ③ 半径300m圏内に鳥類が接近した際には、スピーカーより特殊な忌避音を発生させ、鳥類に進路変更を促すことでバードストライクを防止する

 ④ 半径300m圏内で一定時間鳥類が滞空を続けたことを検知した際には、風車を自動で停止させる

 ⑤ 半径300m圏内に鳥類がいなくなったことを検知した後、自動で運転を再開する

 その後も対策を講じながら運転していたが、BS防止装置設置後、20261月に再びオジロワシが犠牲になった。その後、14基の風車について日中の運転を停止した。

 【この装置の問題点】(専門家に聴き取り)
 システムの作動不良などではなく、仕様や設定のミスによるものと思われる。

・風車から1km範囲に入って滞空し続けた時に、カメラで種判別を行うのに4560秒かかるかもしれない。もしワシ類が時速50kmで飛んでいれば、カメラで種判別をしている間に700800m進み、風車から300m範囲に入ってきてしまう。

・風車から300m範囲で滞空したら、風車の回転停止指令を出すことになっているが、指令が出てから完全停止までに通常は2530秒程度かかる(緊急停止なら10秒くらいで止まる)。その間にもワシ類は300400m進んでいるので、風車停止が間に合うかどうかギリギリの状況。

・カメラによる鳥の検知範囲には死角(特に地面に近い低空)がありそうで、死角から風車に接近してくるワシ類はほとんど検知できないと思われる。

◆ 能代市白神ウインドの防止システム

 地元企業なので、地元の意見を尊重。また、近くにはラムサール条約登録の条件を満たしている小友沼(※)もあるため、BS防止装置を自社で開発したという。

 ※小友沼(おともぬま):毎年秋に越冬のために渡って来るガン類の重要生息地になっている。最盛期にはガン類が11万羽、ハクチョウ類が1万羽にもなり、国内有数の生息地として重要視されている。

 <システム概要>

 ①自動検知が可能な距離と角度:距離1km(500mになったら回転停止)、角度は60度。

 ②回転停止までの時間:2回転半

 ③BS防止の対象鳥類(北帰行の時期のみ):ハクチョウ類、マガン、ヒシクイ、カモ類、100羽ほどの群れを対象とし、越冬に来る時期は考えていない。理由は渡りコースが一定でなく、個体数も様々なためとのこと。

【この装置の問題点】

 ・最大の問題は、対象を100羽ほどの群れに限定していること。

 ・少数を軽視しているのは、できるだけ風車を止めたくないという意図か。

 ・24時間、装置を作動させているのか不明。

 ・北帰行の時期だけに限定している。

【ブログ作成者から】

実効性あるBS防止装置を導入したというニュースを見たときは、風力発電事業者もやっとその気になったかと思いました。希少種の犠牲が続く北海道では、止むを得ず最後の手段として導入するしかなかったのでしょう。秋田県の場合は地元の企業である以上、共存しなければならないことから、地元の意見・要望を受け入れざるを得なかったのかもしれません。しかし、両者共、できるだけ風車を止めたくないという本音が、実効性のないシステムの設定となったようです。

風力発電が野鳥に影響を与えないためには、野鳥が多く生息する所や希少種が生息する所に建設しない!という大前提を改めて実行しなければなりません。

参考引用:アメリカ IdentiFlight社の鳥類自動検知


野鳥にもやさしい風力発電であってほしい

  We want wind power to be wild birds friendly



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