野鳥の死骸発見が続いている風力発電事業者三社に要望書
風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州 Association to protect wild birds from wind power
予防原則の上から実効性ある対策を実施してください!
北九州市若松区響灘地区(埋立地)風力発電など設置図
作成:日本野鳥の会北九州支部(改版:2025年7月)
上図、福岡県北九州市若松区響灘地区の風力発電施設周辺では、稼働開始から風車の羽根に衝突したと推定できる野鳥の死骸発見が続いています(右端の「エネシード北九州」と「テトラエナジーひびき」は除く)。これまでの死骸数は11種49羽に及んでいます。その内、現在は撤去されている洋上実証試験機1基と海岸にずらりと並んだ10基では、ミサゴやオオミズナギドリなど、5種5羽の死骸が発見されました。
現在稼働中の3社(※)の風力発電は今後も稼働を続けることから、さらに風車に衝突死する野鳥が増え続けると思われます。各社では風車下の草刈りをするなど、野鳥のエサになるような昆虫類が発生しないような対策を実施していますが、抜本的な対策ではないため、この度、日本野鳥の会北九州支部から、下記内容の要望書を提出しました(本年7月14日付)。(※)ジェイパワーひびき(電源開発若松事業所)、響灘ウインドエナジーリサーチパーク(ENEOSリニューアブルエナジー)、北九州響灘風力太陽光発電(自然電力)
風力発電施設周辺において発見されている鳥類の死骸について
バードストライク対策実施の要望書(抜粋)
「風力発電事業における鳥類への配慮については異論はないと思いますので、予防原則に則り、実効性ある対策を講じることを要望します。」
【風車へのバードストライク低減に実効性ある対策】
◆鳥類が風車に近づいたら自動的にシャットダウンするシステムを採用する。
(レーダーとローター自動緊急システムが組み合わされたシステムが必要)
各社共、環境アセスでは一様に鳥類に対して配慮をすること、そして、風力発電施設が鳥類に及ぼす影響は小さいと評価しました。しかし、現在の状況は影響は小さいと断言できるでしょうか。配慮をしていると言えるでしょうか。月に何度かの点検ついでの死骸探しによる発見数は実態には程遠いのではないでしょうか。中大型の野鳥であれば、死骸の一部もしくは大部分が残りますが、小型の野鳥は捕食動物に持ち去られることを考慮すれば、推定できる衝突数は数倍にもなるでしょう。
各社共、異口同音に「地域の自然環境保全」「生物多様性の重要性」を謳っているようですが、それを具現化し、実践しなければ意味がありません。絵に描いた餅に終わることのないように。
野鳥にもやさしい風力発電であってほしい
We want wind power to be wild
birds friendly.
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