ネイチャーポジティブ宣言が「絵に描いた餅」にならないように!

 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power


ネイチャーポジティブ宣言をした北九州市に早速注文!

「環境未来都市」「SDGS未来都市」「都市近くに豊かな自然があるアーバンネイチャー」など、自然環境保全に力を入れているようなことをアピールする福岡県北九州市は、今度は「ネイチャーポジティブ宣言」をしました。

ネイチャーポジティブとは

日本語訳で「自然再興」といい、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指す。今の地球は過去1,000 万年間の平均と比べて10倍~100倍もの速度で生物が絶滅していくなど、いわゆるマイナスの状態にある。この状況から、これまでの自然環境保全の取り組みだけでなく、経済から社会、政治、技術までの全てにまたがって改善を促していくことで、自然が豊かになっていくプラスの状態にしていこうというのがネイチャーポジティブの趣旨。

ネイチャーポジティブの実現には、企業、地方公共団体、NGO等をはじめとするさまざまなステークホルダーに協力してもらう必要がある。そのため、環境省が事務局を務める2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)は、ネイチャーポジティブの実現に向けた第一歩として、「ネイチャーポジティブ宣言」を表明してもらうよう呼びかけている。(抜粋引用:環境省エコ・マガジン「エコジン」)

そこで、早速「市民のこえ」制度を利用して、積年の課題のひとつを北九州市長に送りました。

~北九州市「市民のこえ」~2025年6月18日提出

響灘地区風力発電施設周辺における

バードストライクと推測できる鳥類の死骸発見について

響灘地区で稼働している三事業者の風力発電施設周辺における鳥類の死骸について、各事業者からの聴き取り調査(20139月~20254月日本野鳥の会北九州支部)の結果、これまで11種49羽の死骸が発見されている。

死骸発見数については月数回程度の施設点検ついでの偶発的発見であり、さらに死骸は捕食動物によって持ち去られることから、実際にはこの数倍であることが推測できる。中には、風車へのバードストライクと認め公表しているものもあり、また死骸の損傷状況から事業者がバードストライクと判断しているものもある。

死骸の中には、準絶滅危惧種のミサゴ6羽も含まれており、若松沖白島で複数繁殖するミサゴの可能性が高く、海域を含む、響灘エリアの生物多様性への悪影響が起きていると推測できる。

              ネイチャーポジティブ宣言をした北九州市が行うべきこと

   ネイチャーポジティブにおける、「生物多様性の損失を止める(鳥類の被害を止める)」ために、現在稼働している陸上風力発電の三社に対して、実効性のあるバードストライク対策を実施するよう助言を行うこと。

   上記対策実施の経費において、北九州市から補助を行うことを検討すること。そのために必要な支出は、ネイチャーポジティブ宣言に叶うことである。

【風力発電施設における実効性あるバードストライク対策】

鳥類が風車に近づいたら自動的に風車の回転を停止するシステムを採用する。

(レーダーとローター自動緊急システムが組み合わされたシステムが必要)

【ブログ作成者から】

さて、北九州市長からはどんな回答が返ってくるでしょうか。「バードストライク対策は、各事業者によって適切に対処すべきもの」などと、北九州市とは関わりがないような回答であれば、なんのためにネイチャーポジティブ宣言をしたのかということになりますが......。響灘ビオトープのシンボルである「チュウヒ」も風車の羽根に弾き飛ばされる恐れがあります。そんな心配をしないでいいように、明日にでも北九州市は風力発電事業者と協議しなければなりません。

          野鳥にもやさしい風力発電であってほしい

          We want wind power to be wild birds friendly




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