野鳥の被害が止まらない!

 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power


オジロワシのバードストライク、3月だけでも5件!

 報道によれば、北海道北部の幌延町の風力発電施設(4300kw×14基)で、国の天然記念物のオジロワシ、オオワシのバードストライクが多発しています。野鳥への対策に消極的な事業者も異常事態と思ったのか、日中の運転を停止しました。

【被害記録】

・20235月:オジロワシ1羽 ・20236月:オオワシ1羽 ・20243月:オジロワシ1羽 ・20245月:オジロワシ1羽 ・202412月:オジロワシ1羽 ・20251月:オジロワシ1羽 ・20253月:5羽 計11羽

 20235月運転開始直後にバードストライク(B.S)が発生。対策として、風車のタワー側面とナセル上部に「目玉模様」のペイントを20239月に施したが、その後もB.Sが発生したため、202412月から鳥類が嫌がる音をスピーカーで発生させる装置()を全14基に設置した。しかしその効果なく、今年3月に入ってからB.Sのペースが急増した。

風車タワー10mの高さに360°カメラとスピーカーを設置。風車に接近する鳥類をカメラで検知し、半径300m内に近づいたらスピーカーで忌避音を発生させ、鳥類の進路変更を促す。

  事業者のユーラスエナジー社はこの異常事態に、325日から海ワシ類が活動しやすい日の出1時間前から日没まで、全14基の運転を停止した。

 .Sが多発している原因については、

周辺が秋・春に行き来する渡り鳥の通り道になっている。

周辺には営巣地があり、生息の可能性が高い。と、環境省は指摘する。

 また、事業者の環境アセスでは、海ワシ類の飛翔状況も調査されているが、現状と差違があるので検証が必要という。環境影響評価(アセスメント)手続きの「準備書」段階の住民説明会で、運営会社側は「20年間に数羽しかバードストライクが起きる可能性がないことから、ほぼ問題ない」との回答だったという。

【ブログ作成者から】

~いい加減なアセス調査、信用できない予測衝突数、軽視される普通種と呼ばれる野鳥~

 何度も言いますが、事業者が実施する環境アセスは、事業計画を進めるための単なる手続きと化していますから、計画に支障がある都合の悪いデータが出ないために、綿密な調査はしない、できれば既存のデータを活用する、希少鳥類のデータは隠蔽する、報告しない、という姿勢です。さらに、今回も信用できない机上の計算で予測衝突数を20年間に数羽などと、事業者の嘘吹く体質が見れます。

現に、東北地方や北海道で疑惑の事例がありました。「環境にやさしい風力発電」も利権目的になると、今回のようなことになるのでしょう。

これが絶滅危惧種の野鳥なので問題になっているとすれば、いわゆる普通種と呼ばれる野鳥たちの被害は見過ごされ、関心も持たれていないということになります。北九州市の沖合のオオミズナギドリ集団繁殖地近くで浮体式洋上風力発電の計画がありますが、野鳥への影響軽減に事業者の積極さが見られないのは、オオミズナギドリが絶滅危惧種ではないからでしょうか。絶滅危惧種だけが注目されることのないように、私たち保護団体も留意していかなければなりません。

        野鳥にもやさしい風力発電であってほしい

        We want wind power to be wild birds friendly


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