渡り鳥~飛翔ルートの風車を避ける

風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power

林立する道北の風車を避けて飛ぶ野鳥たち

 

 「野鳥は風車を避けて飛び、衝突リスクは小さい」と胸を張る事業者の顔が見えるようですが、移動コースの変更を余儀なくされる野鳥への影響は計り知れません。

                  

             

 風力発電の適地とされる道北(北海道)で、渡り鳥が風車を回避するために、移動ルートの変更を強いられる「障壁影響」が生じていることが、日本野鳥の会による調査で分かった。渡り鳥は50キロ飛ぶごとに体重の1%に相当するエネルギーを使うといい、風車の急増で移動ルートが妨げられれば、目的地や中継地にたどり着けずに死ぬなどのリスクにつながりかねない。同会は「累積影響を検討すべきだ」と警鐘を鳴らす。(参考引用:2024813日北海道新聞より)

風車を避けて飛ぶ鳥ばかりではない!

危険な風車間を飛んでいる鳥も相当いるはず。

 下の図はヨーロッパにおける、多数の風車に向かって飛ぶガン・カモ類の飛翔軌跡を調査したものです。ガン・カモ類の多くは風車を避けるように飛んでいますが、それでも相当数の個体が風車間を縫うように飛んでいます。その理由はわかりませんが、かなりの数が風車に衝突していると推測されます。「鳥たちが風車を避けて飛んでくれた!」と安心してはいけません。

              

 以前、愛媛県佐田岬半島上空を渡るハチクマ(タカ科)が、半島の尾根に並ぶように建設された風車を回避するように飛ぶようになったと、環境アセスを請け負った会社の社員が胸を張るように言っていたのを思い出しました。しかし、野鳥の会の地元支部の会員は、「風車が建つ前は、半島の尾根上空で上昇気流に乗り高く舞い上がり、滑空するように九州方面に飛んでいたが、今は、必死に羽ばたきながら九州方面に飛んで行っている。」と話していました。ハチクマは長い渡りでできるだけエネルギーを使わなくて済むように、上昇気流を掴まえながら、滑空と羽ばたきを組み合わせて遠い東南アジアまで渡る旅をしています。ハチクマが飛びやすい風況の良い場所に次々と風車が建てば、野鳥の会のコメントのように、疲労困ぱいして、目的地にたどり着く前に命が尽きるかもしれません。ハチクマの国内最終休憩場所の長崎県五島市福江島にたどり着くハチクマが少なくなり、さらにその先中国上海まで(700km)の、休む所など全くない海に落下してしまうハチクマが増えるかもしれません。「海外にまで渡る野鳥のことなど知る由もないし、責任はない!」と風力発電事業者は言うでしょうが、今後増えていくであろう洋上風車に弾き飛ばされ、海に落ちていく野鳥と同じように、その影響の実態は闇に葬られていくのでしょうか。

 野鳥たちに多大な犠牲を強い、自然環境や人への影響をないがしろにして発電する今の再エネ、そんな電気を使っていることの後ろめたさを感じます。再エネの間違った進め方を正すためにも、「再エネ賦課金制度の廃止」も視野に入れて、議論を始めましょう。“環境にやさしい風力発電、太陽光発電”が、今は必ずしもそうではないことを国民のみなさんに知っていただくためにもです。

        野鳥にもやさしい風力発電であってほしい

        We want wind power to be wild birds friendly

コメント

このブログの人気の投稿

CO2削減に寄与、17万世帯の電気をまかなうとアピールするが.....

ネイチャーポジティブ宣言が「絵に描いた餅」にならないように!

野鳥の死骸発見が続いている風力発電事業者三社に要望書