北九州市が洋上風力発電の問題点について回答
「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power
自信あり気の回答「地震が来ても、津波が来ても大丈夫!」
北九州市若松沖響灘洋上風力発電25基の建設によって、響灘海域に生息する鳥類と、海域の生物多様性に大きな影響を及ぼす懸念から、建設の中止を求めた署名提出の際、「自然景観の損傷」「低周波音による健康不安の懸念」「津波による風車倒壊・・陸域に押し寄せる被害の懸念」も同時に述べました。それに対する見解を共同出資企業五社と事業を誘致した北九州市に(北九州市「市民のこえ」を利用して)求めていましたが、北九州市の港湾空港局エネルギー産業拠点化推進課が市長に指示されたということで、回答のメールが2024年3月13日に届きました。(市長は担当部署に丸投げ、出資企業五社からは回答なし)
さて、その回答は、反対署名が寄せられたことや、鳥類への影響については言及なく(環境アセスでクリアしていると思っているのか)、以下の回答がありました(要旨のみ。( )内はブログ作成者のコメント)
1.「25基の風車による自然景観の損傷」について
(回答)外装に周囲の環境になじみやすい彩度に抑えた塗装を施す等、眺望景観と調和するよう配慮。環境影響評価審査会において「北九州市景観計画」の行為制限内容に整合することが確認されています。
(周囲になじみやすいということは、逆に野鳥には気付かれにくく、風車に衝突しやすい?ことになりそうですが、かと言って派手な色彩ではなおさら自然景観損傷になりそうです。行為制限内容に整合すればいいというものではないでしょう。環境審査会委員の皆さんは25基の風車が林立し、一変する景観を想像したのでしょうか。やはり響灘海域の景観にはふさわしくない巨大構造物は不要です。何か問題が起きれば、事業者の責任ではなく、環境審査会の確認が適切でなかったということになるのか)
2.「低周波音による海域に近い住民への健康不安の懸念」について
(回答)住居から十分な離隔距離を確保した場所に建設される予定であり、環境影響評価審査会において、実行可能な範囲内で影響の低減が図られていることが確認されている。また地域住民への説明会等で理解醸成に努めている。
(風車の低周波音は数キロ離しても減衰しにくいと、国内外の学者が論じています。間に障害物があってもです。住宅の屋根や窓などの障害物を透過しやすく、室内で共鳴を生じることがある。すでに国内では「音で寝付けない」「頭痛がする」「頭の中でゴーンと鳴っている」という近隣住民の声があがっている。これは「風車病」「風車症候群」と呼ばれている。低周波音被害は科学的に未解明なことがあることから、環境省は「健康影響を生じる可能性は低い」と言っているが、事業者は環境省のこの指針を口実にして関連性を否定している。その影響は風車が建ってからあらわれてくるのに、事前に地域住民にいくら説明しても理解は無理だろう。環境審査会委員の方々は事前にどこかの風車の近くにしばらく住んでみてはいかが?)以上、部分引用:北海道大学工学研究院、田鎖順太助教授講演資料より
3.「海上に設置された風車が津波によって倒され、津波と共に陸域に押し寄せ、甚大な被害に及ぶことは否定できない」について
(回答)本事業は風車・支持構造物の強度・安全性が担保された設計であることを確認する、いわゆる「ウインドファーム認証」の適合認証を受けています。“稀に発生する地震動” “極めて稀に発生する地震動” に対して構造上安全であり、地震によって風車タワー、基礎が倒壊するようなことはないことが設計上確認されています。また、強風・波浪(津波?)については “50年に一度の発生が見込まれる” ものに対して構造上安全であることを確認することをもって、ブレードが飛散したり、風車タワー、基礎が倒壊しないことが設計上確認されています。
(極めて稀な地震、50年に一度の強風・波浪(津波?)にも大丈夫と言い切った回答に驚かされました。現時点では洋上風力発電の耐震設計は確立されていないのにです。そこで、極めて稀な地震、50年に一度の津波をどの程度の規模と考えているのか、それに耐えられる風車なのかを質問してみたところ、具体的な回答はなく、認証適合事業であることを繰り返し、設計は環境条件及び電気事業法に基づく要求事項に適合しているということでした。そして準拠基準を併記していました。設計情報は事業者が保有するものであるため、それ以上は答えられないようです。認証を受けるのはあたりまえで、そのうえでの対応策は何もないようです。疑問や不安を持っている市民のために公表してもらわなければならないです。)
※自然景観への影響や、津波に倒された風車が陸域に押し寄せたら・・・と心配しても、実際に多数の風車が海上に林立するのは未だピンと来ない感じがあります。そこで、市街地の海上沖に24基の風車が建てられている、北海道石狩湾の写真を掲載しているチラシがありましたので、参考に見ていただければと思います。下記「石狩湾岸の洋上風力発電を考える石狩市民の会」のURLをクリックしてください。
風車チラシ20240223.pdf (lbcc-alumni.jp)
野鳥にもやさしい風力発電であってほしい
We want wind power to be wild
birds friendly.
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