響灘洋上風力発電25基の建設工事中止を求めました!

 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power   

        

洋上風車建設工事の中止を求める要望書を提出しました!(2023年10月10日付)

 北九州市内でも稀な島嶼地域である響灘を飛び回る野鳥への配慮も足らず、バードストライクの実態を正確に調査しようともしない事業者に対して、「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」から建設工事の中止を求めました。

イラスト上:若松沖響灘に25基の着床式風車を設置する位置図
作成:「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」

 2017年に始まった事業者による環境アセスに対して、野鳥保護団体の日本野鳥の会北九州支部は「事前調査も不十分、有効なバードストライク対策も無く、よって、このまま事業を進めるべきでない」と意見を述べてきましたが、事業者からは期待できる回答は無く、建設工事が始まってしまいました。日本野鳥の会北九州支部が建設工事の中止を求める動きが見られない中、今後、事業者による改善策も期待できないことから、私たち「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」は、ここに至っては工事の中止を求めるしかないと判断し、下記の要望書を提出したところです。以下はその要旨です。

「北九州響灘洋上ウインドファームが鳥類に与える影響を危惧し、洋上風車建設の中止を求める要望書」

洋上風車建設の中止を求める理由
1.バードストライクを防ぐための、実効性ある対策を実施しようとしない。                              
 海外では、高性能レーダーと、高解像度カメラを組み合わせて、AIを利用した  
衝突防止システムや遠隔操作による衝突防止システムを採用しているが、本事業では検討する姿勢すら見えない。
                        
2.約20年間稼働する洋上風車において、事後調査期間の1年はあまりにも短く、鳥類への影響実態を正確に把握しようとしない。わずか1年間の事後調査で済まそうとする姿勢は容認できない。
                       
3.風車に設置を予定している鳥類の衝突を監視するためのカメラ(動物熱感知システム搭載)は、25基の風車のうちわずか2基であり、風車設置区域全体のバードストライク状況を把握しようとしない。わずか1年間、一応カメラで監視したという既成事実作りの姿勢は容認できない。
               
4.バードストライクによる鳥類の死骸確認と回収を、風車の定期点検に合わせて月4回船舶で周回して実施することについては、その実効性には大いに疑問があることから、影響実態の把握を積極的に行おうとする姿勢が見えない。海上に落下した死骸は海流によって遠く運ばれ、捕食され、または沈んでしまうため、死骸発見は偶発的発見を除き、捜索して発見することは不可能に近い。

 私たち「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」は、鳥類に影響が少ないと推定できる建設場所であれば、また、実効性ある影響軽減策を実施するのであれば異議を唱えません。事業者の「ひびきウインドエナジー社」と共同出資企業五社におかれましては、風力発電と野鳥の共存のために、建設中止の英断を求めます。

 さらに、共同出資企業五社にも意見書を提出しました。
「北九州響灘洋上ウインドファーム共同出資企業の皆様へ」(要約文)
 「共同出資企業の皆様におかれましては、この度の要望書を真摯に受け止めていただき、各社の行動指針である「自然環境との調和」「生物多様性の保全」を実践すべく、ひびきウインドエナジー社とご協議の上、建設工事の中止に向けて速やかな行動を求めます。」

【ブログ作成者から】
 野鳥保護団体の意見を軽視する事業者の対応ぶりは想定済みですが、この事業を誘致した北九州市は静観するしかないのでしょうか。誘致した責任を感じません。環境アセスに対して市長の意見を出したらそれで終わりと思っているのでしょうか。その意見は型通りで、まるで他人事のような感さえあります。およそ環境未来都市を自負する市長意見ではありません。事業者への中止を求める意見は、北九州市長への要望でもあるのですが。「生物多様性戦略」は “絵に描いた餅” でしょうか。
We want wind power to be wild birds friendly.






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