野鳥はなぜ風車に衝突するのか

 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power


野鳥はなぜ風車の羽根に衝突するのか?

(自由自在に空を飛べる野鳥は避けることができそうだが・・・)

その1.野鳥が衝突しやすい場所は、風車の多くが設置されている岬・半島・海岸の上、山の尾根などです。そこは野鳥にとって飛びやすい場所でもあります。また、営巣地やねぐらとエサ場の間に風車があると衝突事故が起きやすくなります。

その2.回転している羽根の向こうの景色が透けて見える現象(モーションスミア現象)は、鳥類の眼は人間に比べて起こりやすいと言われています。野鳥は回転直径100m以上という巨大な羽根の向こうの景色に向かって飛んで行き、衝突するようです。風車は見た目にはややゆっくりと回っているように見えますが、強風時の羽根の先端は、新幹線並みのスピードで回っています。

写真上:風車に衝突が多い海ワシ類(公財)日本野鳥の会提供

その3.特に中型、大型のタカ類は地上のエサを上空から探すとき、エサの小鳥や魚、小動物が現れると、風車の羽根が回っていることを忘れ?急降下したときに羽根に衝突し、弾き飛ばされるようです。
その4.野鳥は夜間にも飛行しますが、風力発電の照明にひきつけられたり、悪天候の際、低く飛ばざるを得なくなり、風車の回転域に入り、衝突するようです。

【ブログ作成者から】
 鳥類は長い歴史の中で、何が危険で何が安全なのかを学んできたのでしょうが、
近年突然現れた巨大な風車に驚いたというよりは、「なんだこれ?」という、未だに危険なものとも何とも認識できていないのではないでしょうか。
 風車を数年間見なれているはずのトビやカラス(留鳥)が相変わらず今も風車の羽根に衝突しています。年に1回しか日本に渡って来ない渡り鳥も、渡りコースに去年まで見なかった巨大な風車がブンブン回っていても、危険なものとは認識できず、群れで衝突していることでしょう。
 事業者は「そのうち風車に馴れて、避けるようになる」と、有効な対策実施を怠ったり、対策を実施しても、風車のタワーや羽根に、野鳥が認識しやすいような塗装をしたり、鳥が嫌がる音を出したりの、効果のない対策を今でも採用しているようですが、本気で野鳥への影響軽減になるような対策は考えているとは思えません。最も大切なのは、野鳥が多く生息する場所や、渡り鳥のコース、そして、朝夕の移動コース近くには、風力発電を設置しないことが一番です。

We want wind power to be wild birds friendly.
 






コメント

このブログの人気の投稿

ネイチャーポジティブ宣言が「絵に描いた餅」にならないように!

CO2削減に寄与、17万世帯の電気をまかなうとアピールするが.....

野鳥の死骸発見が続いている風力発電事業者三社に要望書