青森県が再生可能エネルギーゾーニング案公表

 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」Association to protect wild birds from wind power


 青森県は202493日に風力発電の開発と自然環境保護を両立させるための区域分け(ゾーニング)を公表した。県内で計画中の陸上風力発電(700基近く)の大半が、事業を計画できない地域に区分けされました。

                

 赤色の「保護地域」は、事業を原則として計画できないエリアで、世界自然遺産やラムサール条約湿地、鳥獣保護区(特別保護地区)、保護林、文化財などの地域。黄色の「保全地域」は保安林や国有林、緑地保全地域、特別保護地区を除く鳥獣保護区などとする考え。県内の面積の大半を「保護地域」と「保全地域」が占めることになり、自然エネルギーの開発には多くの地域で規制がかかることを示す。

 2024年の5月、青森県知事は、「青森県の自然と地域と再生可能エネルギーとの共生」の有識者会議で、以下のように述べていた。

「国策だからといって、再生可能エネルギーが攻めてきて、青森県の自然が搾取される。ここで歯止めをかけなければ、ありとあらゆる場所で風力発電が行われ、様々な価値が棄損されることになりかねない。ここで歯止めをかけなければ野放図に広がっていく恐れがあった。世界に警鐘を鳴らすいい機会だ。」

開発と自然環境保護が両立できなかったことは明白!

「SDGs持続可能な開発」を後ろ盾にした自然破壊は許せない!

【ブログ作成者から】                                  

 青森県は北海道や秋田県に並ぶ風力発電先進県です(いい意味での先進とは言えませんが)。すでに稼働中の風力発電の数も突出しています。自然豊かで素晴らしい温泉もあり、美味しい郷土料理や農産物もあるこれらの県で、景観をないがしろにした計画が押し寄せていることに心痛めていました。地元で自然環境や景観を大切にする方たちの気持ちを考えると、どうしてもっと早く規制をかけなかったのでしょうか。八甲田山などの景観を軽視した風力発電計画が、今回の規制のきっかけになったのかもしれません。事業計画が出るたびに、その都度右往左往するよりは、総合的な規制をかけておくほうが対応しやすいでしょうし、計画が淘汰されることでしょう。ただ、どんな規制にもグレーゾーンがあり、あいまいな審査基準によって、抜け穴ができないように要注意です。そこは保護団体や市民団体が常に厳しい目で監視する必要があります。

  風力発電計画が押し寄せ、その対応に四苦八苦しているかと思えば、日銀の審議委員が秋田市で「洋上風力発電など再エネ関連の成長期待」と、のんきに講話するなど、あきれてしまいます。さらに「それが地元経済の大きな柱へと成長していくことを期待」と、風力発電事業に翻弄されている地元の人たちの気持ちを逆なでするような発言にあきれます。少しは自然環境への影響や地元の人たちに配慮する言葉があってもいいと思うのですが。こんなおエライ人は、風力発電が自然環境などに与える影響などには無関心なのでしょうね。

  また、風力発電建設に反対する住民の個人情報が事業者に提供される違法行為が行われるなど、私たちの真っ当な活動が脅かされる事態も起きています。私たちの活動は公共の安全を求め、自然環境などをないがしろにする無秩序な計画を正そうとしているだけです。無分別な風力発電計画に物申すことは正当な活動であることに、誇りと自信を持って活動を進めて行きましょう。

          野鳥にもやさしい風力発電であってほしい

          We want wind power to be wild birds friendly


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